前田日明よりメッセージ

総合格闘技と言う競技が、認知を経て久しく完成されたもののように認識されている。

しかし、一体はまだまだ黎明期である。なぜならばリング上は事実上ブラジリアン柔術全盛で、他の武道体術的要素があまり見られない。
本来武術はすべからく総合格闘技であって、近代の間違ったスポーツ化によって対応技を省かれ弱体化をされてしまった。

ただブラジリアン柔術は、戦前の講道館柔道がブラジルと言う忘れ去られた場所で、前田光世によって他流試合の為の武術として普及し、武術の命である対応技が生き長らえ、武術本来の対応力を退化させてきたに過ぎない。

ここのところ世界的な総合格闘技の勃興は、時代に埋もれ忘れ去られた幾多の技の再発見と掘り起こしに加速をかけ、近い将来リングの上に華と咲くであろう。
過去、リングスが「地上最強の男はリングスが決める」と言っていた。それは図らずも他のリング上で元所属選手のヒョードル、ノゲイラによって証明されたと言われるが、リングスにとっては、彼らとて最強の男を作る壮大な実験の途中に出会った一格闘技者に過ぎない。未完成の彼らがリングスの作った状況の中で然るべくして磨かれ、そして結果を出したというに過ぎない。

彼らとて、最強の称号はいまだ暫定の感あり。
格闘技の歴史の中で語られる真の最強戦士は未だ観得ず。

来れ、未知なる強豪、、そして磨かれよ我が戦いの場で。
壮大な実験は再び始動する。

前田日明