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「THE OUTSIDER」60-65二代目チャンピオン 樋口武大インタビュー

  • 2014年7月10日

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――60-65二代目チャンピオン(トーナメント優勝)、おめでとうございます。

樋口 ありがとうございます。

――試合から少し時間が経ちましたが、体力は戻りましたか?

樋口 はい、おかげさまで。ただ、トーナメントであちこち痛めましたので、怪我の治療に専念しています(苦笑)

――なるほど。それでは、激闘につぐ激闘でしたトーナメントを振り返えろうと思います。まず、準決勝戦。古田博之選手との対戦が決まり、一番やりたい相手と言っていましたが・・・。

樋口 このトーナメントが決まり、参加者の顔ぶれを見たときに、一番強いのは安谷屋(智弘)選手だと思いました。順当に行けば、上で当たると思っていたのですが、一回戦で古田選手に負けちゃって・・・。

――古田選手の1RTKO勝利という、アウトサイダーでの実績を考えた上での波乱がありましたね。

樋口 それで、必然的にこのトーナメントで一番警戒しなければいけないのは古田選手だなとターゲットを変えました。準決勝戦でしんどい思いをしてでも、古田選手を倒しておけば優勝は間違いないなと思ったので、6月22日大会のファイナルラウンド一試合目で古田選手を倒しておきたかったですね。

――樋口選手の予想通り、古田選手との試合は互いに一歩も引かないどちらが勝利してもおかしくない好試合となりました。

樋口 最初から古田選手にはかなり強いイメージを持っていましたが、想像以上でしたね(笑) タックルが切られそうなんで、打撃をフェイントに寝技勝負をしようと思っていたら、あんなにむこうが寝技もできるとは思っていなかったです。

――寝技で活路を見出せない樋口選手が、古田選手のお株を奪う打撃でグラつかせるという場面がありました。

樋口 あの試合で2度ぐらい、いい打撃が入って、「あっ、終わったかな」と思う瞬間があったんですが、レフェリーの平さんもなかなかダウンを取ってくれませんでしたね(苦笑)

――これは余談ですが、トーナメントの試合は、一回のダウンで試合終了という事もあり、通常のシングルマッチよりはダウンの基準を厳しくしていたようですね。とはいえ、惜しいシーンが二度もあったのでは、樋口選手の気持ちを持続させるのも大変だったのでは?

樋口 2R目に古田選手から逆に強烈なアッパーを貰って、首を負傷しちゃったんですよね。あのパンチから若干頭がボーっとしちゃって(笑) 2Rが終わって判定にいった時は、「ヤバイ、負けたかもな・・・」って思っちゃいました。

――判定は、樋口選手の3-0での勝利でした。

樋口 あの時はほっとしましたね。ほんとに名前が呼ばれるまで、負けたと思ってたんで。ただ、相当、首と頭のダメージが深刻で、試合後、師匠の矢野(卓見)さんに決勝は棄権したほうがいいかもしれませんと相談していたんです。

――そんな舞台裏があったんですか?

樋口 勝てたから言えるんですけど、実は試合の二週間ぐらい前の練習中に、アバラも負傷していて、隠しながら出場していたんです。古田選手の試合で、完全に痛めてしまい、満身創痍の状態だったんで、このままでは決勝戦に臨むのは難しいと思いました。

――矢野さんの反応は?

樋口 一蹴されましたね(笑) 「こんなチャンスは二度と無いんだから、いくしかないだろ」「このトーナメントでベルトを取らないとお前の存在価値は無いぞ」と言われました。

――その辛辣なところが、矢野卓見さんぽくて良いですね(笑)

樋口 ただ、その言葉を頂いて、やってやろうという闘志が再び湧き上がりました。選手として盛り上げさせる術を矢野さんは心得ているんですね(笑)

――決勝戦までの時間の過ごし方は?

樋口 ひたすら携帯のGIGA.TVで、Rikuto選手の過去の試合映像を矢野さんと観ながら対策を立てていました。タイプ的には古田選手とよく似ている選手ですが、まだまだ荒削りな部分があるんで、そこを攻めようとなりました。

――そして決勝戦。Dark Rikuto選手と闘ってみて、印象はいかがだったでしょうか?

樋口 やっぱり楽じゃなかったですね。自分の体が思うように動かないってのもあるんですけど、やっぱり力もスピードもあるし。

――この試合でも、樋口選手の打撃がRikuto選手を捕らえた時がありました。

樋口 たまたまですけどね。2Rの最後にグランドの展開で上になり、最後まで諦めずに攻めたので、いい印象は残せたのかなと思います。

――そして、決勝戦も判定3-0での勝利。ご自身の名前が呼ばれた時の感想は?

樋口 嬉しいって気持ちよりも、終わった安堵感のほうが強かったですね。矢野さんの一言がなければ、棄権していたかもしれないぐらいのコンディションで、決勝戦も2Rを闘い抜いて、「やっと終わった」という気持ちが一番大きかったです(笑)

――チャンピオンベルトを腰に巻いた時の感想は?

樋口 チャンピオンになったんだっていう実感は全く無かったですね。不思議な感覚と言うか、夢じゃないかと思いました。

――これは後から聞いたお話ですが、なんでも、ベルトを取った後はすぐにでも返上を考えていたそうですね。

樋口 はい(笑) 昔、修斗時代の宇野薫さんがベルトを取った時に、そのまま返上したのを見て、かっこいいなって思ったんですよね。

――しかし、その提案を聞いた前田代表は・・・。

樋口 「そんなの駄目だよ」って一蹴されました(苦笑)

――矢野師匠、前田代表、一日に二度の一蹴を受けたんですね(笑)

樋口 「チャンピオンになったんだから防衛戦はしなければいけない、朝倉未来とかと防衛戦をしないと逃げたと思われるぞ」っていうお言葉を頂きました。言われてみればそうだなって納得できる部分もあり、防衛戦をさせて頂こうって気持ちになりましたけどね(笑)

――なるほど(笑) では、チャンピオンになった今、今後の展望というものは?

樋口 前田さんが言われたように、防衛戦を1回か2回して、無事に勝利しベルトを返上したいと思います。僕をターゲットにしてもらえるのは嬉しいんですけど、これからは若い選手達がお互い切磋琢磨し合って、ベルトを競い、頑張ってもらいたいです。自分の今後の展望というか野望は、アウトサイダー代表としてプロのベルトを奪取する事です。アウトサイダーから飛び立った選手で、プロで結果は残してもベルトまで到達している選手はいませんので、僕がその第一号になりたいですね。

――具体的に狙っているベルトはありますか?

樋口 やっぱり、負けも経験しているZSTのリングでリベンジしたいですね。こんな事を言うとおこがましいですが、同階級の藤原敬典選手が保有しているZSTバンタム級王者のベルトを狙いたいです!

――頼もしいコメントです。THE OUTSIDER 二代目チャンピオン、樋口武大選手のこれからのご活躍を期待しています!